No.430◆お名前を間違えないで済むようになる!

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

仕事上や会合で初めてお会いする方と名刺交換をして「○○です。よろしく」と挨拶を交わしたとき、氏の方は分かってもお名前の読み方が分からなくて、「なんてお呼びすれば…」とお聞きして、そこから会話が始まり弾むという経験を何度もしてきました。そのおかげで少しずつ知識が増え、興味も広がり、お名前だけでなく地名等固有名詞に出会うのが楽しくなったことも多々ありました。

 

しかし近年、私の経験が追い付かなくなって、新聞や情報誌を見ていて「はぁー、ご本名なのかしら…」と、筆名・ハンドルネーム・雅号・芸名等々、本名以外の名前と紛うような例に出会うことが多くなっています。身近なお子さんの名前さえ、私の子ども時代には無かったような宝塚スターか女優さん、外国籍の方のようなお名前に会い、「へぇー今時はキラキラネームなのねー」と思うことがしばしばです。お子さんに対する愛情や期待の大きさと描く将来の方向の違いを感じています。

 

ある友人は大人になってからですが、「名前の漢字の画数が悪い」と言って、読みは同じで通常使いは漢字を変えていました。かく言う私も「子」をつけて欲しかったと父に言ったことがあります。父は「戦地へ出征中に生まれるから、男なら“よしのり”、女なら “ゆき”と、男の子でも女の子でもいいように付けたんだ」と。そして「(自称)"文学青年"だったから、『自由な世紀』に生きて欲しいと願ったよ」と言ってくれました。以来文句は言えませんでした。(小学生の時、ある大会で入賞したとき、「よしきくん」と呼ばれたこともありました。)

 

2日のニュースでは私のような古臭い人間に配慮してかどうかは知りませんが、法制審議会の戸籍法部会が「これまで記載されていなかった読み仮名を戸籍に載せるとともに、読み仮名の付け方に一定のルールを設けるよう戸籍法を改正する要綱案を取りまとめた」と報じていました。現在、読み仮名は住民票には記載されていますが、戸籍には記載がなく、行政の効率化などの観点から改善が求められていたのだそうです。

 

要綱案では、戸籍の記載事項に「氏名をカタカナ表記したもの」を追加。読み仮名の付け方については、氏名の文字の読み方として「一般的に認められているもの」などに限定する規定を設けるとし、従来の漢字の読み方と異なる、いわゆる「キラキラネーム」については、すでに使われているものは基本的に認めるとして、今後についても、反社会的なものなど例外を除き、認められる余地を大幅に残した、そうです。DX、つまりマイナンバーカードの実用化のために必要ということなのでしょう。出生時に親が届け出た名前や文字を、私都合で勝手に代えて暮らせられなくなりそうですね。