No.417◆高齢者の「スマホ格差」を心配して  

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

スマホ(スマートフォン)は老いも若きも、と言うか、幼稚園児でさえ持ち歩いている姿が見られ、駅頭や公園では高齢者がスマホを片手にキョロキョロ、待ち人と連絡している姿が普通にみられるという社会になってきています。いよいよ政府のDX(デジタルフォーメーション)推進というに掛け声に反応してきたのかな、という気がしています。

 

ところがです。今や「1人暮らしで身体機能が外出には不向き」と自認する彼女が、「今更学習する気はない」とスマホもパソコンも拒否しているのです。購入や維持の費用に付き合えないということはなさそうなのですが、頑として拒否! 

 

私は社会の制度やシステムがオンライン化して、リアルなと言うかアナログ的な申請や予約が難しくなっていくと思っています。同居人がいる人は役割分担もできるし、そのネットワークも利活用できますが、都会の生活者で自立心の高い彼女は、個人の生活には立ち入らないというのが鉄則なような地域での高齢期の生活に不便が押し寄せてくるのではと私はお節介とは知りつつも心配しているのです。かつてワープロを使っていたのですから、キーボードに拒否感があるとも思われません。あるとすれば…彼女は指導・管理する立場の職業にいたので、他者に教えを乞うとか、些細なことを尋ねるとか、見習ってみるとかのワザを持っていないのでは、との思いに辿り着いたのです。そして私のボーイフレンド(?)たちのリタイア後の今の不器用さと交際の狭さにも…。

 

テレビや新聞、広告、街中の看板に迄、今やQRコードが付いていて、「詳しくは→」と書かれてるか、「詳しくはホームページを」と指示されています。行政の広報紙さえもそうです(電話番号も添えられてはいますが)。電話やFAX等、アナログでの対応は、人口減の社会では限界になると思われているようです。リアルに近い対応をバーチャル(仮想)というIT技術で対応することのようですが、そこに辿り着くのにはスマホやパソコンの操作が要るのではないでしょうか。悩ましい!

 

コロナ禍は終息に向かっているのでしょうが、対面や電話での対応はもう過去になるのではと思います。Afterコロナで私は元に戻るとは思えません。国を挙げて、また地域行政挙げてスマホの貸与や講習会をしている間に少しでも馴染んで欲しいと願っています。

 

最近、私はスマホに「花のなまえ」という無料アプリを知人に入れてもらいました。公園や花屋さんで活躍しています。何しろ園芸用品種改良が急激進歩で、花好きの私は「これってシソ科よねぇー」と言いつつ、花の名はスマホに教えてもらっています。