No. 395◆「老後資金」はどこに預ければ…

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

5月6日の日経新聞朝刊のトップは「米、0.5%連続利上げへ FRB22年ぶり上げ幅」でした。以前はこんな見出しを目にしても、「そう、私には関係ないわよねぇ」と見過ごしていたのです。が、リタイアして“老後資金”で息ある限り生活しなければならなくなってからは、「で、私はどうすればよいというの?」という意識に変わってきました。と、思っていてもどうしていいか分からず、「まあ、しばらく様子を見るしかないわ」と。

 

私が老後資金の必要性に気が付いた時期の預貯金金利は、10年物の定期預金であれば年利11%という銀行もあって、退職金など大きなお金が入った時、例えば1000万円だと年100万円の利子収入があることになるので、年金と合わせれば、つつましい私としては楽勝!と思っていました。まさかその後に「預貯金の利子は無いものと思え」という時代が来るとは思ってもいませんでした。

 

預貯金の0金利状態が続く中、「高齢期の資産 インフレとの関係」という項目で検索したら、「老後の蓄えが銀行預金になっている部分については目減りするので心配。高齢者こそインフレに強い資産である株や外貨を多めに持つべき」と経済評論家の方は一様に仰っています。そして私はささやかな老後資金を分散したのでした。そしてあの“エンロンショック”に遭い、傷心でしたが若かったので立ち直れましたが。そんなことを想い出したりして心細くなっています。

 

そしてこんなお説も見つけました。「高齢者は認知症リスクを考えると、株や外貨や不動産等々を持っていても資産の換金ができずに悲惨な老後を過ごさざるを得ない可能性も出てきます。銀行によって対応が異なるようですが、預金等は、株や不動産等を売却するより簡単であることは疑いないでしょう」と。

 

コロナ禍が少しずつ治まりそうになったかと思えば、ロシア—ウクライナの紛争状態で、世界経済が大変動を起こしそうになってきました。ユーラシア大陸の東端に位置する小さな国の高齢の1人暮らしの生活にも影響してくるのでしょうか。最後まで自立・自律で生き切りたいというささやかな祈りは叶えられるのでしょうか。