No. 373◆「テレワーク」で得た「多様性の社会」との接点 

 

「Withコロナ」になっても毎日通勤ということにはならないようですね。朝の住宅街や川沿いの小道、運動公園でウォーキングやジョギングをしている若い方の姿は減っていません。朝のバス停では私学通学生と思しき児童の“パパ”の見送り・付き添いが圧倒的に多い気がするのは、多分「働き方改革」が影響しているのではないでしょうか。コロナ禍の中、なんて気持ちの良い風景かと嬉しくなってくる毎朝です。

 

定年後のシニアが多く参加している朝の体操会。私も15年以上の古株になってきていますが、変化を感じています。年齢層が広がってきているのです。そして性別も。その上挨拶を交わしたり、短い会話であっても、話しかけている人が多くなっています。毎日同じ時間に同じ場所で同じ音楽を聴いて体を動かしているのですから、顔馴染みから知り合いという感じになるのは当然の成り行きでしょう。31日のハロウィーンでは、お子様連れの人には、お菓子を渡す人も結構いらっしゃいました。かく言う私も9月の敬老の日にお子様からクッキーをいただいたので、ハロウィーンクッキーを忍ばせて出かけて行きました。孫のいない私はウキウキな朝でした。

 

お住まいも、出身地もご職業も、年齢すらも知らない関係ですが、だからこその気楽さがあり、ちょっとした心配事がすっと口にできます。昨日も「1人暮らしって気楽でいいわね」という話の続きに、「急死は困るわねぇ」という人がいて、「そうよねぇ」「子どものスマホに入浴時の映像が送られるというのを利用している友達がいるけど、いやよォーって言ってるわよ!」等々。「世田谷区だったら、ヤクルトの宅配を頼むと見守りをしてくれるとか」「読まなくても新聞を取るとか…」。女性たちの話を感心して聞いている男性シニアの人もいて、成人親子が同居しないのが普通になった今の社会の暮らしに役立つ情報も結構流通しています。

 

同窓会やOB会とはまた違う「仲間とは言えない人との交わり」。組織的ではない場に出かけての触れ合いは、ダイバーシティに向かう時代の一つの形、良さ、ではないでしょうか。家族や職場、ご近所のお付き合いに疲れたら、多様性の世界に顔を出してみたらいかがでしょう。新しいふれあいが楽しめるかも…。