東日本巨大地震から1ヵ月、単身高齢者の決断は・・・

 東日本巨大地震から1ヵ月が過ぎました。日毎に被害規模が大きくな

り、未だ全容さえも明らかにはなっていません。この巨大地震はM9と

いうエネルギーの大きさも然りながら津波による被害は想像を絶するも

のがあります。

 

 私は親戚縁者がこの地方に居ず、自身も住んだことがないので、津波

の恐ろしさを語り継がされてきた経験が無く、テレビやパソコン、新聞

から得る映像や文字情報に驚き、恐れるばかりです。地震が家や道路を

潰し、それにより人が死に至り、財産を無くし、というばかりではなく、

続いて起きた大津波や大火災が、地震災害を辛うじて逃れた人や財産、

小さな写真など思い出の品さえも押し流してしまうという全破壊を知ら

され、阪神大震災のときとはまた違った恐怖を覚えました。そこへ福島

の原発がその津波の被災物の一つとして、さらなる災害を生んでいます。

とどまるところを知らない災害の連鎖。被災者でもない私でさえ何も考

えられないというのが現状です。

 

 先日も当事務局への電話で、「1人暮らしの人はどうしていらっしゃ

るのでしょう」との話になりました。この地方の会員は無事でした。

避難所に入る必要もなかったそうですが、たった1人で余震や暗闇、

途切れる食品・ガソリン・灯油といった生活必需品の調達などに立ち向

かわなくてはならないので大変だったといいます。

 

 もしも津波で家ごと生活基盤が流されたら、1人暮らしの人はどうす

るのか、と言う話になりました。私は身一つになれば被災地を離れ、持

っている有り金で新生活を始めると思う、と言いました。しかし、電話

の彼女は、見知らぬ土地へ行く勇気が無いから、瓦礫の中で人が再生し

ていくのに合わせて、自分も細々再生活を紡いでいくと想うと言いました。

 

 この地方の1人暮らしの人には別居の家族がいる人が多いのではない

でしょうか。相談に乗ってくれたり、手を貸してくれたりと、いわゆる

「絆」の中で何とか生きていけるのではないでしょうか。同じ1人暮ら

しでも地縁・血縁という「絆」を持たない人は、公的機関が頼りです。

でも伝えられる情報では、仮設住宅などは、家族のいる人が優先されて

いるように思えてなりません。逆ではないでしょうか。私的支援の無い

人から先に助けてあげて欲しいものです。

 

 役場ごと流失した町もあります。早く公的支援が始まりますように、

祈るばかりです。

 

 

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