本当に必要な保険は人それぞれなのに?

 今、点けっぱなしのテレビから聞こえてくるお誘いは不安を掻き立てる

内容ばかりです。特に大きく聞こえるコマーシャルの中でもシニア向け

生命保険と健康食品の宣伝! 私の耳がそのような内容しか、受け付けて

いないからなのでしょうか。

 

 私が60歳になったとき、まず取った行動の一つに生命保険の解約があり

ます。医療保険も解約しました。理由はリタイアしたから。以後は寿命の

尽きるまで公的保証の範囲内で生きることに決めたからです。

 そんな私にテレビコマーシャルからは、「先端医療は?」「ガンになっ

たら?」「入院費は?」「葬式代はどうする?」と問いかけてきます。

同じ問いかけを会員からよく受けます。

 

 「先端医療は?」―→希望しないことにしています。健康保険の範囲内

で治療を受けることにしています。もしも難病に罹ったら、制度に従って

公費でお世話になり、家族や知人に支払いを頼まないことにしています。

 

 「ガンになったら?」―→高額療養費制度もあり、健康保険の範囲内で

あれば月額10万円程で済みますから、多分預貯金でなんとか・・・

 

 「入院費は?」―→差額ベッド代が必要な部屋は遠慮します。一般病室

で他の患者さんの知恵を借りつつ、孤立しないで療養することにしています。

 

 「葬式代はどうする?」―→基本は20万円もあれば埋葬ができそう。

その分くらいはある。それに国民健康保険から7万円出るし・・・。葬式

は自分で出すわけではないのだから、大げさにするかどうかは喪主しだい。

香典の集まり具合も考えて、喪主が取り仕切ること。60代の今死ねば、

会葬者も多いかもしれないけれど、90代になれば・・・ 

 

 このように返事をしていて、あきれられることもあります。このような

自信を持っているのは、親たちを見送りましたから。彼等は臨終近くにな

れば必要から個室に移していただいていましたし、それまでも医療関係者

から冷遇されていたとは思っていませんから、私も不安はありません。

 

 要は覚悟の中身です。必要な費用は各人で異なります。希望と資金が噛

み合わなければ、保険で補うのは当たり前ですから、ご検討を。

 

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