緊急時システムは必要か

 1人住まいの人に対するアンケートで、不安に思うことの上位にくる項目のひとつに「急病や非常事態になったとき、助けてくれる人がいない」というのがあります。

 1人暮らしでなくても、1人で在宅していることは多いわけですから、万人共通の心配事だと思うのですが、家族等同居人がいる人からは出てくることが少ない不安項目です。

 ではなぜ1人住まいの人だけが不安に思うのでしょうか。同居人がいる

というだけでなぜ安心なのでしょうか。私の勝手な推測ですが、同居人

の能力にかかわらずその人に期待しているからでしょう。一種の思い込

だと考えているのですが・・・

 

 この不安解消のために各自治体では、65歳以上の1人暮らし及び高齢者

のみの世帯に対して見守り制度なる施策を採用しています。例えば、家の

中でよく利用するトイレや台所にセンサーを付け、動きが無いと駆けつけ

るとか、湯の入った電気ポットの使用が無いと担当者が駆けつけるなど。

また、特に緊急事態に対応するために見守りではなく本人が自分で発信

する緊急通報システムを希望者に配布している自治体もあります。

 

 見守り型の良いところは、見守られているという安心感でしょう。

気になるところは、旅行など留守をする場合にはその都度届けておかない

と、本人の知らないうちに大騒ぎになるかもしれません。一方通報型は

発信機から離れているときは通報できません。どちらも共通してよい

ころは、高齢者が賃貸住宅に入居する際の交渉時、家主側に安心感を

与えるところでしょう。

 

 では、65歳未満の人はどうしたらいいのでしょうか。自分で緊急通報

システムを用意することになります。老舗のセコムなど警備会社や通信

系の会社で事業として商品化していますから、有償で手に入ります。

無償で望むならば友人と相互支援として約束するとよいでしょう。

特定の疾病で心配のある人は、患者団体の仲間から相手を選ぶという

のはいかがでしょうか。また勤務先のある人は、会社や団体が気をつけて

くれるでしょう・・・

 

 1人暮らしであれば誰でも必要か、といえばどうでしょうか。

健康に不安が無ければ必要ではないのでは? 1人暮らしといっても

それは家の中のこと。外に出れば知人友人がいるではないですか。

今日もメールが届いているのでは?

 

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