No.553◆「人生百年時代」に生きている者の終活とは 

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

昨日は月一で参加している日帰りウォーキングツァーに参加してきました。場所は横浜市西区、9:30~16:00に歴史探訪とおすすめ景勝地を廻ります。毎年8月はお休みですが、9月の予約を入れる時、「暑さ寒さも彼岸まで」と昔から言われているから、秋分の日も近い17日であれば猛暑の今年でも少しはマシになっているでしょ、と。

 

あぁー、最高気温34度でした。私の様に一人参加も多い集団ですが、暑さ対策には慣れている皆さんですから、塩飴・ドリンクボトル・首には冷却用グッズ、ハンディファンや扇子など各自様々な対策で、全行程6㎞完歩でした。

 

途中1ヵ所"パス"した人が2人いました。80歳超えの私と女性某さんです。場所は低山の山頂の施設見学と見晴台。初対面なのに「無理しないで頑張る、のが私の流儀なのよ」と言う私に乗せられて、皆さんが下山するまですぐ傍の涼しい区立図書館でペチャクチャ。年齢も体力も同等くらいなので話が合い過ぎ、楽しい時間が持てました。

 

「80歳過ぎたから、怪我をしないことが第一使命なのよ」「そうよねぇ、怪我は寝たきりになる原因だって言うじゃない! 一人暮らしが多いから大変よね」「子供も50代だから人生で一番忙しい時じゃない? 呼びつけられる?」「今はね、"子供孝行"を考えて暮らしているのよー」「解るー。迷惑を掛けたくないモンねー」「とはいうもののね、ツァーの時ね、赤線で緊急連絡先と囲んだ名刺と健康保険証と掛かり付け医院の診察券は持って歩いているわよ」「私も」「ツァー中は、ツァー会社が付いているから大丈夫だと思うけど、集合前とか解散後はねぇ」「そうよねぇ…」

 

「知ったか振りするけど、来月から"マイナ救急"が始まるンだって! 救急隊はマイナカードの医療情報を使って救急活動をするンだってね」「じゃぁ、保険証とか、緊急連絡先を持って歩かなくってもいいわけ?」。同輩同士の会話は弾みました。

 

「"終活しろ、断捨離しろ"って言われるけど、したら不便になるし、想い出が無くなって"認知症" にならないかしら…」「私もそう思うのよ。死後業者さんに整理を賴むとね100万円以上くらい掛かるというけど、いつ死ぬか分からないのに、早々と寂しい生活になるなんてねぇ…」「そうよねえー、私もそう思うわ…」

 

比較的元気な80歳越えの2人の会話、どうお思いになりますか? 「ひとり死」がテーマの報道が増えています。死後のことを託せるシステムが増えています。しかし民間事業者の中には詐欺まがいの例もあると報じられています。『単身けんニュース』203号でお伝えしたように、各地方行政が「終活登録事業」をユニバーサルサービスとしてするようになれば、断捨離を早々しなくても、登録すれば死期がいつ来るかと心配せずに、いつもの生活が送れるのではないかと思った昨日のエスケープ時のひとときでした。