◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
今年は戦後80年ということで、第2次世界大戦に関するマスコミの特番は7月頃からいつもの年よりも大きく、多量に報道されていました。戦中・戦後の国民の悲惨な体験、戦闘に動員された兵士たちの戦場での記録動画やその後、等々。
また、広島・長崎の原爆投下に関しての記録や投下後の惨状のフィルム等も、投下から80年という節目に当たるためなのか、今も「核の傘」という政治的な"脅しの道具"の有効性のためなのか、かなりのボリュームで報道されていました。非核を訴える長年の運動、そして、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が2024年のノーベル平和賞を受賞したことで、国際報道として、全世界に向けても、いつもの年よりも熱が入っていたように感じました。
日本は「戦後80年の年」と言っていますが、今も戦中の国も、内戦中の国もあります。私は1944年生まれの80歳です。恥ずかしながら吐露しますが、物心ついた頃より8月15日が「終戦記念日」だと思っていた私でしたが、これは"日本だけ"だったのですね。ここ2、3日で知りました。戦勝国は「終戦記念日」ではなく「対日戦勝記念日」だった!
9月3日、中国は「抗日戦勝記念式典」を、アメリカは「第2次世界大戦終結80周年記念式典」を開催しました。これは、日本が降伏文書に調印した1945年9月2日を終戦の日と認識しているからで、このような国もあるそうですが、連合国の多くは「対日戦勝記念日 (VJ Day、即ち"Victory over Japan Day")」は8月15日だとか(ウィキペディア)。
話は飛びますが、今年8月14日、先の裏千家茶道家元15代・千宗室大宗匠(隠居後名・玄室)が102歳で他界されました。玄室氏は特攻隊の"生残り"とご自身で言い、後の活動は「一盌からのPeacefulness」を世界中に広めることに尽力されたそうです。一盌の茶をいただくとき、「お先にいただきます」「お先にどうぞ、どうぞ」と言い交わせるようならば、戦争にはならないのではないか、とおっしゃっていました(追悼番組から)。
私は6歳から裏千家の茶道手習いを祖母から受けていて、小学4年生の時に初めて当時の"30歳代の宗匠ご夫妻"のお姿を「野点」の茶会でお見受けしてからずっとファンでした。ご逝去後に追悼ビデオ3巻をみて、「和敬静寂 (peace and harmony)」と言われていたお言葉を、戦力で平和を求めようとしている世界の為政者に届けば…と思った今週でした。
「戦争反対!」と叫んでいても…と感じる今、戦争開始を決断する為政者には、どうしたら「我が意」が届くのでしょうか? 私の残り少ない余命に「戦争」と言う文字が我が国に付きませんように…。
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