No.486◆「子持ち様はずるい!」どういうこと?

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

暇人の私がYahoo!ニュースの見出しを見ていて「はぁー?」と目にしたのが「子持ち様批判」という見出し。人間も生物の一員なのだから子孫を残すことにした人が「ずるい」という見出しって、何?

 

どうやら子どもの発熱時などに、子どものいない労働者に業務が偏るといったケース等のことのようです。負担を引き受けた人にそれ相応の手当があればよいのでしょうが。

 

今年1月から「育休中等業務代替支援コース」という国の制度が始まっていたのだそうです。その中身は「この育児休業を取得した労働者や育児のための短時間勤務制度を利用した労働者が行っていた業務について、周囲の労働者に手当等を支払った上で代わりをお願いした場合、助成金を支給するという制度」なのだそうです。そして、育児休業取得者の業務の代替のために新規採用を行った場合にも助成金の対象になるとか。しかし、この制度は中小企業のみが対象で範囲は限られているとか。

 

戦後昭和期の転勤家族だった私に、祖母(明治生まれ)は「誰とでも過ごせる子供に育てなさい」と言いました。母親の姿が見えないと泣き叫ぶような子には育てるなと。転居の先々でのご近所さんのお人柄からでしょう、歯医者や美容院、お見舞い、冠婚葬祭等へ行くときなど、お預けしていても私の後を追いかけるようなことはありませんでした。仕事を持っているかどうかだけではなく、「ちょっとだけ子どもを見てもらえたら助かるのに…」と思うことが核家族の子育て中にはしばしばあります。

 

「ファミリーサポートセター事業」をご存じでしょうか。昭和時代まであったご近所同士の"お互い様"精神のちょっとした助け合いを制度化した事業です。1994年、国の補助事業として旧労働省が「仕事と育児両立支援特別援助事業」として開始。仕事をもつ親を対象とした子育て支援でしたが、現在では子を持つ全ての家庭が事業の対象です。

 

・上の子が熱を出して病院に連れていきたいが、下の子を置いていけないので困る。

・自分が熱を出してしまい、子どもの世話ができなくなってしまった。

・仕事のシフト上、どうしても子どもが帰宅する時間に家にいられない。

・保育園に連れていくことはできるが、迎えの時間にはどうしても間に合わない。

 

このような事態にも対応している事業です。「頼れる人がいない」と嘆く前に地域の身近な公的窓口を訪ねてみてはいかがでしょう。

 

自治体によっては、最長で7日間は赤ちゃん・子どもを預けることができる「ショートステイ」、また子どもを最長22時まで預けることが可能な「トワイライトステイ」というサービスもあります。このようなサービスも検討してみたらいかが。人手不足の中、職場も助かるのではないでしょうか。