No.483◆2033年の平均世帯人数は「1.99人」問題ですか?

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

世帯構成人数の平均が"1.99人"という見出しのニュース(『時事通信』4月12日)を読み進めると、2033年のことだという。これは厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「日本の世帯数の将来推計」で分かったことなのだそうです。私が89歳になる年です。今の標準から推察すると、私は要支援か、要介護支援になっているのかもしれません。さらに記事を読み進めていると、「社会的孤立や孤独の問題が深刻化し、大きな課題になるだろう」ということを伝えたかったようです。

 

"社会的孤立・孤独"はなぜ問題なのか? "社会的孤立"は昔の"村八分"のように社会が特定の個人を無視し地域社会が断交をしなければ成立しないのではないのでしょうか。例えば本人が地域社会にコンタクトを取れば、自治体が主催する行事やイベント、学習会等々には参加できるのでしょう。また、生活面の公的社会保障を申請すれば、応じてくれるのではないのですか?

 

"孤独"は家族がいないことが原因でしょうか? 私は同居家族が居なくなって5年目ですが、孤独とは思っていません。PCのメールもあれば、スマホのLINEもあります。固定電話もあり、どこに居ても知人友人だけでなく、連絡ができます。祖父母や父母の時代とは大違いです。むしろ、知らない人からも連絡が入るような世の中になって、身構えるような社会になっていませんか。

 

世帯構成人数の平均が"1.99人"! 敗戦後の日本が目指した"核家族"がやっと目標に達したのではないのですか? 『単身けんニュース』3月31日号に書きましたが、戦前の"大家族単位"から"核家族単位(夫婦と未婚の子)"が一般的なスタイルになりました。未婚の成人が増加し、"人生百年時代"と言われるようになった高齢者が相方と死別して、世帯は"単身化"へと変遷しています。

 

問題視しているのは、子世代が巣立った核家族が元の親世代の介護等支援に回らざるを得ない事態も増えていることと、自立して生き切る時代を想定していなかった前世代を支援することとなった彼らの子世代が、自身の老後と親の老後を背負う事態も生じ、生産現場に留まることが難しくもなってきていること。その上に自身の老後用資産の準備もおぼつかなくなっている事例も増えて。"人生百年時代"の3世代は「今」とどのように向き合えば…。

 

求めるのは家族でなく、「孤立しない、孤独にならない生き方」であって、各個が現在の社会システムを理解することではないのでしょうか。