No.481◆「働き方改革」本始動、まずは健康管理から?

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

『単身けんニュース』195号(2024年3月31日付け)は、最近よく耳にする「働き方改革」を取り上げました。例えば、普通郵便の配達は1日程度繰り下げ、また土曜日配達が休止になり月曜日に届くことになりました。休祭日があると4日後ということもあり、投函する日には余裕を持つか速達をかけるか気を付けることになりました。

 

また、地域のかかりつけ開業医院は休診日が増え、予約制ばかりとなり、緊急時の診療は119番へ、となるのだろうかと不安になったという知人も。

 

そればかりではなく運転手不足で各所の送迎サービスや公共交通手段も減便や路線廃止。タクシー運転手も不足で"ライドシェア"という制度が出来たとか。これは"白タク"や"相乗り"という、かつてはご法度だったように思っていたのですが、変わるのですね、と話題にしているお仲間もいます。働き方改革は働く人たちだけでなく、消費者・利用者もしっかり学習しておかないと、トラブルを起こすことになりかねないと、"井戸端会議"で話題になっています。さて…。

 

このような事柄は「2024年問題」というのだそうですが、5年前から対策が進められてきていたとか。その「問題」は、主として自動車運転の業務を伴う運輸業(特に物流業界、路線バス、タクシー)建設業界、医療関係(病院の勤務医)長時間労働の改善とか。実は2019年4月(中小企業は2020年4月)に改正された労働基準法の「時間外労働の上限が規定された」ことが元で、業務の特性や取引慣行に課題があることから、適用が5年間猶予されていたので、2024年4月から適用になったのだそうですね。

 

景気低迷と言われて30年、今年の春闘は労働側の要求より多くの賃上げ回答があった企業も出ています。雇用者側のその解答理由は「人手不足」対応だとか。そしてその「人手不足」解決策として「労働人口」を増やすこと。「労働人口増加策」が「子育て支援」と「女性の社会進出」「定年の延長と撤廃」「働き方の多様化」「外国人労働者の受け入れ」だったのですね。

 

子ども増での「労働人口増加」には20年程かかります。日本は労働生産性が低いと言われてきていますから、まずはその対策としての「働き方改革」が必要かもしれないですね。

 

※「OECD データに基づく2022年の日本の時間当たり労働生産性(就業1 時間当たり付加価値)は、52.3ドル(5,099円/購買力平価(PPP)換算)で、OECD加盟38カ国中30位だった」(日本生産性本部「労働生産性の国際比較2023」)