No.448◆「納税義務」と「年収の壁」の攻防? 

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

「扶養家族」の資格を持つ雇用労働者の方々が、今政府が進めようとしている政策に「反対している」という報道はこのところテレビでは分かりやすく解説しています。昭和人間の私は少しは理解できます。私も「扶養家族」だった頃がありますから。

 

私の10代・20代頃は、結婚退職すれば退職金が割増しになったり、相手が会社員だったら夫君の給与に「扶養家族手当」が付いたり税制でも減額措置がありました(今もありますよね)。そしてそんな時代の労働組合の春闘のスローガンは「1人が働いて4人が生活できる賃金を」でした。

 

子どもの幼児期は転勤族ということもあり、地域の親睦と子どもの放課後の対応でそれなりに暇を持て余すことなく過ごしましたが、家電製品の発展と小売業の多様化と家事の利便性が高まり、主婦業の仕事が減り…要は失業者のような状態になりました。これでは私のモチベーションが、と気になり始め、中学の家庭科で「女性は子育てに手がかからなくなった30代からは職業に就きましょう(M字雇用)」を奨めていたのを思い出し、専門学校や専修学校通いを始めました。今でいう"リスキング""リカレント"ですね。

 

税金って「国民の義務」って習った…。そこで国税庁のHPを見たら出ていました。日本国憲法第30条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と。「税金は、国を維持し、発展させていくために欠かせないものです。そこで憲法では税金を納めること(納税)は国民の義務と定めています。この「納税の義務」は「勤労の義務」「教育の義務」とならんで、国民の三大義務の一つとされています。納税者である私たちは、正しく税金を納めることが大切ですが、税金の使いみちに十分関心を持つことも大切です」と。

 

どうでしょう、「扶養家族」の方も「国民の義務」を果たせる賃金や働き方や環境を要求すれば。きっと「家族に頼らない生き方」も模索出来て、家族の方も安心なさるのでは。

 

第3号被保険者の存在も第2号被保険者からすれば不公平感があると話題によく上がります。一方「婚姻」はお得な制度がたくさんあるのに、どうして避けられるのでしょうね。

 

6月29日の日経新聞では、「現行制度は101人以上の企業で月収8万8000円(年収換算で約106万円)以上の場合、社会保険料の負担が生じる。手取りが減るケースがあるため、月収がそれを超えないよう働く時間を調整する人がいる。手取りの減少を防ぐには年収を125万円程度に増やす必要がある。政府は新たに発生する社会保険料を補てんする仕組みをつくる。雇用保険制度のうち企業が保険料を負担する『キャリアアップ助成金』関連の省令を改正し、企業に助成金を配れるようにする」と出ていました。何だか理解に苦しみます。