◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇
22日の警察庁発表では、去年1年間に警察に届け出があった認知症の行方不明者の数は前の年よりも1073人増えて1万8709人となり、統計を取り始めた2012年の9607人から、10年間でほぼ倍増し、最多を更新したそうです。このうち男性は1万314人、女性は8395人。年代別では60代が938人、70代が6968人、80代以上が1万3749人だったそうです。
気になる発見状況は、77.5%が届け出を受理した当日に、99.6%が受理から1週間以内に所在が確認されているということです。警察庁は、認知症による行方不明者が年々増えていることを踏まえ、早期発見に向けて自治体などと連携を強化したいとしています。
この発表の数字を見て、あなたはどのようにお思いになりますか? 私は「77.5%が届け出を受理した当日に、99.6%が受理から1週間以内に所在が確認されている」という数字に少しほっとしました。しかし、事故などで亡くなっていた方が491人いらしたとか。
認知症も含めた行方不明者の総数は前の年よりも5692人増えて8万4910人で、2年連続で増加していて、年代別では20代が最も多い1万6848人、次いで10代が1万4959人と、10代と20代が行方不明者全体のおよそ4割を占めていると発表しています(80代以上は1万3749人)。
行方不明の届け出がある方8万4910人にはご家族や親しい方がいらっしゃるのでしょう。誰にも気づかれることなく居場所を変えた人は何人なのでしょうか。認知症でもなく、姿が見えなくなっても行方不明届けも出されていない人がいられるのではと思い至った時、思考が止まってしまいました。誰からも干渉されることなく、自分の想いのままに過ごせる今の自分の暮らしを私は気に入っているのですが、それが維持できることと引き換えに何か問題を抱えていることに気が付いていないのではと不安になって来ました。
認知症にならないように、軽度認知症になったら症状が重度化しないようにと思い、その情報や資料集めに気を配っているのですが、自己防衛だけではだめのようです。高齢の認知症患者を気遣ったり、地域で見守ろうという動きは活発になりつつあります。それらの仕組みや活動、気付いてくださるような日常生活の仕方も知っておくことが安全につながるのだと再認識した昨日今日です。
お世話にならないようにご迷惑を掛けないように準備することは当然ですが、お世話を受け易い人になっておくのも大事じゃないかと思ったりしています。今だとまだ間に合いそうな気がして…。
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