No.446◆公的支援金に所得制限は有効か? 必要か? 

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

2000年当初からのコロナ禍で日本のみならず、世界中で暮らし方・仕事の仕方が、また、経済環境も激変し、仕事を無くす人、転職を余儀なくされた人等、大混乱の3年間半が過ぎました。この疫病災難で大きな損失や負担を背負われた人たち、ご家族・知人友人等身近な人たちを亡くされた多くの人たちにも、その先が考えられるような兆候が語られ、報道からも散見されるようになってきました。

 

しかし社会は"復旧"ではなく"復興"の方向に進んでいます。つまり元の生活に戻るのではなく、その次の社会への助走が始まり、新しい秩序や政策が発表されています。

 

特に目につくのが"少子高齢化社会"への対策です。"少子高齢化社会"は、人手不足→生産力の低下→国力の低下→国民生活の貧困と格差、などの負の連鎖に繋がるので、政界・官界・財界挙げて大改革・大改造の論戦の様相です。

 

そんな中14日、通信各社の報道では、経済同友会代表幹事の新浪氏が定例記者会見で、政府が"こども未来戦略方針"に"児童手当"の所得制限撤廃を盛り込んだことについて、「大反対だ。必要なところ(世帯)にお金が回ることを主眼とすべきだ」「経団連会長も日本商工会議所の会頭もそろって異を唱えている」と発言されたと伝えていました。

 

そして、「マイナンバーを活用して所得を把握した上で、子どもの貧困を防ぐため、必要な世帯に手厚く支給すべきだ」と主張し、「高所得者に給付する児童手当の財源を保育サービスの充実に回したりすることで、若者世代が結婚し子どもを持つ意欲を高めることが重要」と訴えた、と。

 

コロナ禍の3年半、予兆なしに襲ってきた疫病大災害に政府は防疫・医療だけでなく、困窮・混乱していく国内の国民生活、産業・国際協力等に全力で対応してきたと思います。そして浮き上がってきた一つが行政のDX(デジタルフォーメーション)化の遅れでした。

 

行政の立割制度で、データの利活用の横の連携が取れない→手当・救済策の迅速な運用ができない、などという我が国の先進国並みとは言えない行政手腕がマスコミを通して伝えられました。政府はその対応としてデジタル庁を中心に"マイナンバー制度"を大車輪で有効活用すべく、マイナンバーカードの発行のスピードを上げています。

 

迅速な推進は当然です。新浪氏が言われる「マイナンバーを活用して所得を把握した上で、子どもの貧困を防ぐため、必要な世帯に手厚く支給すべきだ」との主張には私は大賛成です。それは他の給付金等もです。しかし現実は"マイナンバー制度"の運用現場の信用が…。

 

人的ミス・システム障害は今後も起きることでしょう。まずはその発見・解消の迅速な対応と処置を切望します。