No.439◆「マイナンバーカードを持ちたくない」という人の言い分は

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

  

私に訊かれても困ることの一つに、マイナンバーカードの取得の問題があります。「気軽にお電話を」と言っている事務局ですが、この件に関してはコメントのしようがないことが多くて困っています。居住地の役所に聴いてもらうしかないのですが…。

 

ご本人もそれを承知の上で電話をかけてきていらっしゃるのはすぐわかります。要するにマイナカードを作りたくないのです。その鬱憤を誰かに言いたくて、というのがすぐ読み取れるお話ばかりです。彼女たちは全員同じ危惧を言います。「個人情報を国に管理されたくない」「戦中戦後に国に監視されて怖かったのよ。だから嫌なのよ。あなたは経験ないけど」と。私は敗戦年生まれなので全く理解できない件です。その方たちも10歳未満だったのではと思うのですが…。

 

「政府に自分の資産情報を把握されるのが嫌」というAさん。何億と脱税しているとは思えないのですが…。「私の財布の中を誰かが知っているかもなんて…」と言います。確かに少ししかない私も知られたくはないです。でも、コロナ下での政策で“ご配慮”を振り込んでいただいた高齢者としては、少額とは言え「ありがとう」という立場です。

 

普通貯金の場合、マイナンバーの提出は任意です。でも銀行側は預貯金情報をマイナンバーで検索可能な状態で管理するよう義務付けられているとか。しかし政府は「マイナンバー制度が導入されたことで、行政の職員が新たに預貯金や資産などを見ることができるようになるものではない」と回答しているそうです。一方で、銀行口座とマイナンバーの紐づけは、税務調査や生活保護のための資産調査が円滑になったり、給付金などの入金手続きが迅速になったり、とメリットもあるのだとか。まあ、脱税とか、妙な節税をしていなければ、“怖れることはない”のかも…。

 

資産を知られることよりも、個人情報漏洩のリスクに不安を感じているというのが本音ではないかと私は察しています。個人番号、住所、生年月日、性別、健康保険証、銀行口座など個人的なデータが1つのカードに集約されるのですから、丸ごと管理されているように感じて拒否反応を起こしていらっしゃるのではと。現に「一人ひとりに番号をふられて識別番号で国に管理されているようでいやだ」と言った方も多々おられます。

 

総務省HPでは、2023年4月23日時点での申請状況は、受付数96,498,283(人口に対する割合≒76.6%)。

 

マイナカードの盗難や紛失にあった場合、利用の一時停止手続きは

●マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178

●個人番号カードコールセンター:0570-783-578 (この全国共通ナビダイヤルは電話料金がかかります。盗難や紛失による一時利用停止については、24時間365日受け付けています。)