No.412◆「老活中」に分かった難題“オートロック解除”

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

前回(411)私は「老活中」と言いましたが、今一番悩んでいるのが集合住宅の「オートロック解除問題」。今月4日NHK・BS1で放映された特集「おひとりさまでも、家で死ねますか?」という番組が当会で話題になりました。

 

番組は訪問診療医と訪問看護師、訪問介護士が連携して、1人暮らしの高齢者を最後まで看取りをしているドキュメンタリーでした。私宅はこの番組のように訪問診療医・介護師と24時間365日対応の契約をさせていただいて家族の“在宅死”ができましたので、私も「おひとりさまでも、家で死ねますね」と言えるという自信を持っています。

 

しかし、です。「鍵をどうするの? 誰が玄関のドアを開けるの?」という問題に突き当たりました。今の私は1人暮らしです。ベッドから動けなくなったら、リモートで医師や看護師と繋がっていて、駆けつけてくださっても誰がインターフォンの応対をするの?家族の場合、私がインターフォンの応対をしていたから問題になりませんでしたが。実はつらい思い出がありまして、在宅療養中の最後のあたりで私が脊椎骨折事故に遭い在宅療養に。かなりの痛みがありましたが痛み止めの注射を毎日打っていただいて、インターフォンの対応は可能でしたから、家族は自宅で最期を迎えることができました。

 

オートロックの集合住宅では、管理人が常駐していれば問題ないそうですが、防犯上そのキーを預けることができない場合が多いそうです。戸建て住宅やオートロックでない住居は自宅だけをIoT仕様にして、スマホさえ使えれば問題はないようです。

 

55歳で終の棲家として入居した今の我が家。オートロック・バリアフリーで断熱・防音仕様、停電時も断水の心配がなく、顔の見える関係が築ける小戸数…。あれから20年以上経って想定外の心配ごとに出会うとは…。

 

番組の事例の岐阜市では皆オートロックのお住まいではなかったので、「最後の時は鍵を預けてくれる信頼関係が築けるかどうか、だね」というセリフが出ていました。 

 

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特集「おひとりさまでも、家で死ねますか?」 再放送があります。

9月19日(月・敬老の日) NHK・BS 午前10:00~10:50、11:00~11:49