No.400◆“かかりつけ医”と“お薬手帳” 

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

「入院するかもしれないのよ」という電話。「そう、どうしたの?」。今の状況、過去の病歴等々、聞いていたのですが、ちょっと気になるところがありました。“かかりつけ医”からの紹介でA病院へ行ったのではないようなのです。

 

「かかりつけ医って決めていないの?」と訊くと、「決めているわよ。でも病気の種類がいろいろだから…」。つまり、病気の数だけ“かかりつけ医”を持ってるらしいのです。「ま、そうよね」と私。内科・眼科・歯科・整形外科など私も医院が異なります。で、訊いていると、彼女はそうではなくて、今迄から具合が悪くなったらその都度、通いやすいか、公立か私立か、信頼できるか等々勘案して医療機関を決めていらしたらしいのです。「で、過去の病歴と診療データは一元化してあるの?」と尋ねると、「ざっとは言ってあるから…」。「“お薬手帳”は?」。「今は2冊だけ」。「……」。

 

私の場合、消化器内科へ頻繁にかかるようになっているので、循環器系も呼吸器系も同じ病院にしています。そして年に一度の後期高齢者医療制度の「長寿健診」もここです。なのでこの病院のデータには、私の幼少期からの病歴や十余年来の診療・投薬データが入っています。それで血液型検査など基本的な検査データがあるので安心して緊急入院ができます。だから病院側としても、担当医でなくても緊急入院にすぐ対応してくださいます。

 

高齢になると各科にお世話になることが増え、その度に病歴等を申告しなければなりません。かつては他の病院にかかるためにカルテの写しを医者に請求しても出し渋られたものですが、診療内容がデジタル化された今日、すぐにDVDにコピーして渡してくださいます。3年前になりますが、家族の転院が必要になった時、すべての科のデータが1枚のDVDで渡され、安心したことがありました。

 

医療も薬品も高度化し、互いの副作用が心配な時代になりました。より確かな診療のため、データの一元化は重要だと思います。医療が必要になりそうな年代に差し掛かったら心がけた方が安心ではないでしょうか。

 

“お薬手帳”も同じです。昨日歯科で化膿止め薬を処方してもらいました。かかりつけ薬局では、私のページの他の薬と照らし合わせ、「内科・整形外科から出ている薬と一緒に呑んでもよい」と言ってくださいました。もちろん歯科にも薬情報は伝えてありましたが。

 

家族が居ても薬のことなど細かいことは知らないでしょう。1人暮らしならば尚のこと、まずは要領よくお医者様に伝えられるように、医薬情報の一元化をしておくことが、誤診や事故を避けるために必要かと思います。