No. 397◆困窮世帯向けの「臨時特別給付金」でカジノで豪遊?

 

◇事務局・石川由紀が折々を綴っています。◇ 

 

ニュース画面では「ウクライナの現状」「知床遊覧船の事故」「道志村の遺骨」と、耳目を塞ぎたくなるような報道が続く中、「エッエー、そんなことが!」というニュースに、立ち話中のシニアは驚いています。

 

それは、山口県阿武町で、新型コロナの影響で生活が困窮する世帯に10万円を給付する、国の臨時特別給付金の振り込みをめぐって起きた事件のことです。給付金10万円と4,630万円が24歳の無職の男の口座に二重に振り込まれた。彼は誤送金されたものと知りながら、現金が振り込まれた8日から引き出しを始めていて、およそ2週間でほぼ全額を口座から他へ移して無くしていた!

 

この24歳の無職の男は、電子計算機使用詐欺で逮捕され、20日、検察に身柄を送られたそうです。「金は海外の複数のオンラインカジノで使った」と言っているとか。しかしその話題の中で私の周りのシニアたちには理解不能な箇所も浮き彫りになってきています。その箇所とは、“オンラインカジノ”? “決済代行業者の口座”? “スマートフォンでオンライン決済サービス”? 人口約3,100人の町で?

 

まず、“オンラインカジノ”? 誰も知りませんでした。“決済代行業者の口座”についても「決済代行業者」って何? スマートフォンでオンライン決済サービスができるというのがどういうことなのか、ということも…

 

臨時特別給付金は新型コロナの影響で生活が困窮する世帯に給付されたお金ですが、必ずしも困窮している世帯に配られたとは言えないのかもしれません。総務省が10日発表した2021年の家計調査報告によると、2人以上の世帯の平均貯蓄は前年比5.0%増の1,880万円だった。増加は3年連続で、比較可能な2002年以降で過去最高となっていて、「コロナ禍で外出が減り、支出をせずにお金をため込む傾向がみえる」と解説しています。

 

また、株式などの有価証券が22.9%増の295万円。巣ごもりでの投資ブームが有価証券の増加につながった可能性がありそうだ、と分析。一方、「平均の負債額は0.9%減の567万円。貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額を世帯主の年齢別にみると、60~69歳が2,323万円で最も多く、次いで70歳以上が2,232万円だった。50歳未満の世帯では負債額が貯蓄額を上回った」と発表しています。

 

この24歳の無職の男性は、コロナ禍でも困窮していなかったのでしょうね。何だか胸にストンと落ちて来ない話です。過疎地に居ても外国のカジノを楽しめるというのもショックのシニアたちの雑談でした。