No. 356◆「遠隔診療」「リモート診療」がどこででも受けられたらいいな

私のかかりつけ整形外科は歩いて3分。しかし、その3分が自力で行けないときがあったのです。1週間前それに近い状況に見舞われました。

 

このところ4ヵ月程お世話になっているので、私は医師と直接電話で応急指示を受けられないかとダメもとで電話をしました。この医院は往診をしていません。受付の看護師さんは「私が答えられることではないので、大変でしょうが来てください」。やっぱりね。仕方なくヨチヨチと転ばないように気を付けて出向いて行きました。

 

10年以上前になりますが、在宅の夏の午後、突然右膝が音を立てた瞬間、猛烈に痛み出し、歩くことができなくなり、這って電話へたどり着き、往診を頼んだ時、「往診はできませんので車いすをお貸ししますから、取りにいらしてください」との対応。家人に電話して急遽帰宅してもらい、車いすを借りて診察を受けに行ったことがありました。命に係わる症状ではないと思いましたが、本人はその瞬間途方にくれました。原因も分からず、「なぜ! どうしたのか?」 診断結果は右膝内側靭帯損傷でした。

 

コロナ禍の影響もあるのでしょうが、近頃「遠隔診療」を推進するニュースを聞きます。どこの医院もリモート診療ができるようになれば、慌てて救急車を呼ばず、理解して落ち着いて指示に従い、次の行動に移ることができると思うのですが...。大都市も過疎地も単身世帯は増え続けています。無職の家族がいつも在宅している家も少なくなっています。家族で対応を相談しあえる環境にない日々なので、せめてリモート診療が受けられれば、落ち着いて行動できるのに、とつくづく思ったことでした。

 

国の方針として、入院治療が済めば退院させ、自宅療養と通院観察、またはかかりつけ医に戻されます。しかし、つぎの診察日までの間には、指示を仰ぎたい症状も出てきます。往診をしてくださる医院ばかりではないし、常日頃から訪問診療医をかかりつけ医にすることもはばかれます。ITだだのIoTだのとデジタル化促進が政策になっています。高齢化・単身世帯化が進む中、医療分野のDX化も進めていただきたいものです。