「ソーシャル・ディスタンス」が招く孤立化

 何月頃だったか記憶にないのですが、テレビから「ソーシャル・ディスタンス」という言葉を聞いたとき、「はぁー」と思い画面に目をやったのを覚えています。それは「社会的距離」と言うことで、新型コロナウイルス感染防止対策として2メートル以上の対人距離を取って行動してください、という説明でした。

 2メートル? 立ち話やバス停ならばとれるかもしれないけれど・・・。イヤ無理ムリ、1メートルくらいじゃないと離れすぎでしょ! 何かその人を嫌ってまたは怪しんで避けてるようで失礼

にならないかしら、と思ったりもしました。

 でも四六時中テレビから呼び掛けられると、感染防止のためだから仕方な

いと、極力従ってきました。が、その影響は、「社会的距離」と言うよりも

殺伐とした人と人の距離になってしまったような気がします。

 バス停や店のレジで列に並んでいても、声掛けはまずできません。かつて

なら来ないバスにイライラしてぐずるお子さんに「遅いわねぇ、速く来てほ

しいわよねぇ」と声掛けすると、「本当に。お喧しくてすみません」という

お母さん。そして3人でニコリとし合ったものでした。

 

 世界保健機関(WHO)では「フィジカル・ディスタンス」に言い換える

よう推奨しています。「ソーシャル・ディスタンス」では、「人と人との

社会的なつながりを断たなければならないとの誤解を招きかねず、社会的

孤立が生じさせるおそれがある」と懸念して、「フィジカル・ディスタンス」、

つまり「社会的距離」ではなく、「身体的、物理的距離の確保」を意味する

「フィジカル・ディスタンス」を提唱しています。

 私もWHOの方が・・・ 

 

「3密」は2020年流行語大賞になりました。小池東京都知事の会見が印象的

でしたが、これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大期に総理大

臣官邸・厚生労働省が掲げた「密閉・密集・密接」を指す標語。

集団感染防止のために避けるべきとされるこの「3密」は、英語圏では

「Three Cs・3Cs」として推進・普及しているということです。

 今年はこれらの言葉に従って生活してきました。その結果ではないかもし

れませんが、「精神的、肉体的、物理的距離」ができて、心情風景が冬景色

になっています。

 

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