厚生労働省「人生会議」ポスターは問題作なのか・・・ 

人生会議ロゴマーク
人生会議ロゴマーク

 12月の定例会でも表記の話が出ました。「人生会議」とは、もしものときのために、自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです、と厚生労働省は言っています。しかし、普及・啓発のためにPRポスターを公開したところ、患者団体の方々等から、患者や遺族を傷つける内容であるといったご意見を頂戴したので、こうしたご意見を真摯に受け止めて、掲載を停止し、改めて、普及・啓発の進め方を検討させていただきます、とのこと。

 

 単身けんでは終末期における “事前指示書” の作成を20年以上も前から

推奨しています。今年は会員に参考として「終末期医療に関する事前指示

書」(国立長寿医療研究センター)を配布したほどです。

「患者や遺族を傷つける内容である」と言いますが、なぜそのようにお考

えになるのでしょう。そのような決断は家族がすることで、本人が関与す

ることではないとお考えなのでしようか。

 一人暮らしの場合、治る見込みがない状態の時、医療側から患者本人や

家族に治療の選択を迫られても、事前の決意が無ければ応えられません。

本人に意識がない場合もあるでしょう。「事前指示書」が無かったら、

病院側も駆けつけてくれた知人友人も途方にくれます。結果、ただひたすら

延命装置に頼らざるを得ない状況になり、それでよいのでしょうか、という

ことです。

 私の記憶では、単身けんでは今まで延命装置を希望する人はいませんでした。

病気が重篤になる場合ばかりではなく、事件や事故、天災に遭遇する場合も多

くなってきた昨今、家族がいても「事前指示書」は必要ではないでしょうか。

 

 ことし、私は突然家族が「余命宣告」を受ける場面に立ち会いました。

本人と家族全員がいる場で、です。しかし、折に触れテレビを見ながら「この

ようなときはどうする?」などと話題にしていたこともあり、冷静に医師の

説明する治療選択肢を訊くことができ、受け入れることができました。

 かつてのように、医者任せの医療ではなく、患者や家族、周りの知人たち、

地域社会も参加して臨むような開かれた医療現場になった今、厚生労働省の

いう「人生会議」は真剣に受け入れてもいいのではないでしょうか。

 

 

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