
前回タレント・フリーアナウンサーの有賀さつきさんが完璧な平穏死をされた、というニュースを聞いて感激。はるかに年上の私は、先延ばしにしてきた終活の続きを思い立ちました。
しかし、急激に悪化するような持病は無いし、ほとんど自宅にいる現在は、地震、水害、停電に対する対策は済んでいるし、と思うと、事件・事故以外は「死」からは遠いように思い、またやる気が無くなってしまいました。
それでも少しは進めようと、いつでもまとめられるように分類して封筒に
入れていた資料を取り出してパソコンに打ち込んでみました。
まずは金融資産編。去年、一念発起して銀行口座を整理していたので件数
は減っていましたから楽でした。というのも、数度の転居と職業の変更に
より、便宜性と引き落とし口座の指定などの諸事情により銀行口座数が増え、
通帳の束が厚くなっていました。その後銀行の度重なる合併などにより、銀
行名は同じなのに、支店名が異なるという事態が起きてもいました。
残額は変動するので無視しましたが、年金の受取や雑多な振込受取口座、
クレジット各社や公的納付金の自動引き落とし口座、等々、結構多くの収支が
銀行経由で、私の意識にかかわらず動いているのが実感できました。
それで気が付いたのが、意識をしないでも支払いが済んでいくことの恐ろし
さです。欲しいものが目に入れば、財布の中にお金が無くても買えてしまいま
す。 公的納付金の値上げがあっても、お知らせの紙切れに目を通すだけで、
実感がありません。電気・ガス・水道・電話料金・諸々の管理費も数字を一瞥
するだけで金額の多寡に実感が湧いてきません。数か月に一度残高を確認する
だけで過ごしている自分に呆れてしまいました。
健康保険組合は医療費削減の視点から、ゼネリック薬品への変更を言ってき
ています。しかしクレジットカードで支払い、ペロンと出てきた領収書を見た
だけでは、その重みが頭に入ってこないのです。お財布を開け、現金を数えて
支払えばもっと支出に敏感になるのではと思いました。
交通費もそうです。以前は地域限定でしか使えなかったプリペイドカードも
ほぼ全国で使えるようになって、料金表を見ることもなく、コインを数えるこ
ともなく気軽に利用できるようになって、金銭感覚が鈍くなって来ました。
とはいえ、世の中はキャッシュレスの方向に進んでいます。実感のない支出
ばかりしていたら、いずれその不感症になり、私は破たんの方向に進むのでは
と、ふと不安に駆られました。
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