“認知症”が起こした賠償は誰が払うの?-Ⅱ

 前々回12/11の「“認知症”が起こした賠償は誰が払うの?」を読んで、早速調べてYさんが多くの資料を送ってくださいました。その資料を基に12月の定例会で意見交換をしました。

 

①“認知症”と認定されていれば、刑事責任はないのでは?

 ・でも、本人が“認知症”とは思ってない場合が多いから、診察にはいかないでしょうねぇ。連れて行くのも大変でしょ。

 ・1人暮らしだったら、余程重症にならないと周囲も認定診断に

まで持って行けないでしょう。

 ・事故・事件が起こってから強制的に診察するの?

 

*資料では、

 認知症でない場合は、本人が不法行為責任を負うことになります。

本人が金銭的な賠償が困難な状態の場合は、法的に責任が課されても

被害者は、事実上賠償は受け取ることはできない、そうです。

 ということは、配偶者や親族、同居人、入居する介護施設運営者が代

わりに責任を負わされることはないそうです。

 

②刑事責任は問われなくても、賠償訴訟は起こされるわけでしょう?

JR東海の場合は、家族が保護責任を問われたわけだから・・・

 

*資料では、

 認知症の影響で列車事故や窃盗をした場合、民事上の責任無能力者で

あると判断される可能性が高いそうです。そうすると、民法713条が

規定している「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を

欠く状態にある間に他人に損害を加えた者」として、本人は民事上の賠

償責任は負わないそうです。

 しかし、民法714条では、本人が責任無能力者であると判断された

場合、本人を監督する義務がある者は、監督義務を怠っていない場合で

ない限り、損害賠償責任を代わりに負うことになると言います。

 

 責任能力の無い者の犯罪や事故・事件に関しては、本人に資産・財産が

在っても、被害者は賠償を求めることはできないのでしょうか。

私は“本人”になる可能性もありますし、“家族・親族”になる可能性もあり

ます。そして資産は多くは保有していません。どなたか教えてください。

 

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