今家族がいる人もずっと1人暮らしの人も、長生きできればできるほど、終の棲家は有料老人ホームということになるのだと思っています。なぜなら核家族の根付いた現代社会では、お互い高齢者になれば親子・夫婦といえども助け合っただけで日常生活が営まれるとは思えないからです。地域で支えて自宅暮らしは続けられるといっている人もありますが、それはほんの一握りというより、ニュースになるくらい稀な例だと思っていた方が無難なのではないでしょうか。
枯れ木が朽ちるように自然に、老衰と呼ばれるような自然死を望むなら、施設の
お世話にならないわけにはいかないと覚悟している私です。
そのような中、有料老人ホームで、介護職員による複数入居者を屋外に投げ落
として殺したという事件がニュースになりました。
ショックを受けなかった自分にショックを受けてします。
理由は介護施設に勤める知人からの愚痴です。入居者の日常を聞くと、私だっ
たら務まらないと思うからです。
自分の身体的・精神的苦痛を、今の感情や想いを、目の前にいる職員にぶつけ
てくる! 受ける方は理由も判らず唯々収めるように行動するしかない! かつて
私が乳児に接した時にも体験したことに近い事態なのかもしれないのですが、立場
も違えば、体力差も、体験履歴・学習も異なります。若い職員が対処するには、大変
な教育と学習、訓練が必要なのだと思います。
だからと言ってこの犯罪は起こるべくして起こったとは思っていません。とりあえず
は自分を律しできなくなった入居者に対するマニュアルを作ってほしいのです。
事件を起こさないためにも・・・
虐待の裾野は広がっていると言います。厚労省によると、平成26年度の施設での
高齢者虐待は300件と2年で倍増。この数字も自治体が虐待と判断した件数で、被
害を訴えにくい認知症患者らを考慮すれば氷山の一角に過ぎない、とも言われています。
施設での高齢者虐待増加の背景には、介護現場の厳しい現実があって、職場環境
の劣悪さを挙げています。26年度の福祉施設介護職員の平均月収は21万9700円で、
全産業の32万9600円を大きく下回っている、と。長時間労働を強いられることで離職
率も高く、職員が育たない「負のスパイラル」に陥っているのが実態だ、と。
本当の所は労働条件だけなのですか?
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