今年の流行語の一つと言っていいのが「下流老人」ではないでしょうか。とても嫌な単語です。なぜそんなに嫌なのかというと、その定義です。なんでも、生活保護費より低い収入で暮らす人のことを言うそうです。
生活保護費は自治体によって多少の違いはあるものの、一人暮らしの高齢者は月額12万円程度支給され、医療扶助や介護扶助金も支給されています。その保護費の中で生活を維持していらっしゃるそうですが、私の見聞きする範囲には、月額12万円以下の収入で、健康保険や介護保険の保険料を支払い、医療費も自分で支払っ
ている人がほとんどです。でも「下流老人」とはとても言えない、それなりに心豊かに
暮らしていらっしゃいます。
年金のみの12万円程度で暮らしている65歳以上の高齢者は約5人に1人と言わ
れています。だから「下流老人」は65歳以上の高齢者の約5人に1人だ、とは言って
ほしくないのです。
なぜなら一般的には、地方に住み、持ち家で、小規模ながら菜園やコメ作りをして
いるなど自給自足的な生活をしている場合は、貧困感を持っていない場合が多いと
言われています。また、私の知人たちのように、生活技術があり、経済的バランス
感覚の良い人たちは、普通の高齢者だと思っていらっしゃるようです。だから、収入
額だけで、「下流老人」と呼ばれることには抵抗感が付きまといます。生活の中身も
考えると、数字だけで貧困老人のパーセンテージを表すことはしてほしくないのです。
高齢者支援策にはいろいろあります。公園や美術館・博物館のシニア料金、映画・
演劇のシニア料金、地域交通の高齢者割引、スーパー等のシニア割引デー、金融
機関のシニア優遇サービス、等々、良く見渡すと楽しい、嬉しいサービスが見受けら
れます。
一人暮らし高齢者の半分が貧困! という見出しがあると、すぐに読んでしまう私
です。しかし、身の丈に合った、つましいと言われるかもしれませんが、月額12万円
以下の収入でも、心安らかに日々を送っている人たちは多いのです。老い支度を考
えてこなかった、いい加減な人生を送ってきた人たちというような目で見ないでほしい
のです。
コメントをお書きください
伊藤(女性) (日曜日, 20 3月 2016 18:29)
通りすがりの者です。
私もこの本、最近読みました。
生活保護以下の生活とは思っておりました。
医療費等が大きいので。国保等の社会保険も負担大。
でも、仰っしゃる通り、下流老人とは思った事はございません。
お金をそれ程かけずに楽しめる事多々、人の役に立つ喜びも多々。
お金だけでは上下格差は付けられません。