「ウチは子供には自由にさせているのよ。勝手なときにフラッと来るのよね。まあ、この距離感がいいと思うのよ。お嫁さんも気楽だと思うわ」と言っていた1人暮らしのAさん。介護が必要になってきたときの身の振り方に話題が移ってくると、
「いざという時は子供じゃないと頼めないわよ。どこへ介護を頼むとか、入院の付き添いだとか、手続きだとか、他人様にそんな大事なこと頼んだら、困られるでしょう。息子にはちゃんと言ってあるのよ。頼むわよって」。
これはランチの前の待ち合い椅子での話です。意地悪な私は「子ども
頼りって不安じゃない? どこにいるか、今どんな仕事の最中なのか、
分からないし・・・。それに親として子どもに強いことや好きなことを
云えなくなるじゃない?」。
「ウチは何処に住んでもいいけど、1時間以内に駆けつけてくるように
言ってあるの。救急車を呼んでもらうとか、まあ掛かり付けの大学病院
に連絡を取ってもらうとか、判断してもらわないといけないでしょ。緊
急時くらい親孝行したって罰は当たらないと思うわよ。 会社のお仲間
だって協力してくれるわよ」(Aさん)。
「なんで1時間なの?」(私)。
「救急車じゃないンだから、そう早くは来られないでしょう、それで。
でも連絡が付かないのはダメよ、今は携帯があるンだもの。」(Aさん)。
「ところでさぁ、どこの病院に行っているとか、薬の種類とか、入院時
の持ち込み物とか伝えてあるの?」(私)。
「それは私がその時指示するわよ。お嫁さんが整えてくれたらいいのよ。
優しい人よ、大丈夫」(Aさん)。
大丈夫だと思います。でも古希を超えたのだから、「いざ」が来た時の
準備としてマニュアルくらい作っておいた方がいいと思います。混乱して
いる時は意外な「ポカッ」をやるものです。
かく言う私はまだ作っていませんが、関係資料はまとめておいてあります。
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