1人暮らしはいざという時、不安なのよね、というAさん。自立的で、何も心配なんかないという風情の彼女の一言に私は思わず「はぁ?」と言ってしまいました。もう30年近いつきあいなのです。
聞けば、3ヶ月ほど前から腰痛でお買い物もままならないという事態だったそうです。言ってくれればたまには手伝いくらいしてあげたのに・・・
「他人様にお見せできる部屋じゃないの!」とのこと。だからこそ手伝ってあげると言っているのに・・・
公的支援が十分頼める年齢なので、「民生委員とかに電話した?」と訊けば、
「するわけないでしょ! 私そういうの嫌いなんだから」とのこと。
そうなのです。他人の世話は結構する人なのですが、自分がされる側に立つ
のはダメな人なのです。そういう人だとは知っていました。私の方はというと、
彼女にちょくちょく電話して手伝ってもらってきました。
民生委員をしている知り合いのBさんがよくボヤいていることの一つが、「連絡
してくれれば何とかしてあげられるのに、避けられてしまうのよねぇ」。
なぜ避けられるのか、ですが、私の推察では不信感があるからです。担当の
民生委員の人柄を知っているわけではないのですが、歴史的な評判はすこぶる
悪いのです。 一般的に「民生委員は名誉職」というのが染みついていて、何も
してくれないのにご近所の噂話の発信地になっていて、何を言われるか分かった
もンじゃない、という警戒心を持っている人が高齢者には多いのです。
都市部の高齢者は1人暮らしが当たり前の社会になっています。だから福祉の
分野の意識も変わってきています。そして困ったときはご近所で助け合うという
習慣はなくなってきています。離れていても知人友人に助けてもらうか、お助け
ビジネスを利用するか、公的支援を活用するか、自分で決断しなければなりません。
見守られるのが嫌だったら、ちゃんと正面から頼みましょう。困ったときは白旗を
出したっていいじゃないですか。早めに人手を借りないと、あなたが嫌いなゴミ屋敷
の住人になりかねませんよォ・・・
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