「見守りをお願いしている地域のNPO法人から『合鍵を渡してください』と言われたのだけれど、大丈夫かしら? なんだか変な感じなンだけど・・・」と言うお電話をいただきました。あなたならどうしますか?
私は渡しません。
NPO法人の担当者は、訪問したり、連絡を取ったりしたときに返事がなかった時に部屋へ入るのに必要だからと言うことだろうと推測します。緊急時かもしれないとき、一刻を争う
時のための措置だと思うのですが、果たしてそれを信じてよいので
しょうか?
今、法定後見人になった弁護士の横領事件が、何件も報道されて
います。後見人に監視機能がない場合、何が起こるか分かりません。
何が起こっても事後保証がある状態なのかの確認が必要かと思います。
つまり、後見人の行動に対する監視システムがあるのか。被害が起き
た時の賠償等が担保されているのか。
訪問して返事がなかったからといって、単に留守なだけかもしれな
いところに勝手に入ってよいものでしょうか。地域によってはご近所
さんが入っても普通のことである、と言うことは聞いています。
しかしそれは地域住民が皆顔見知りであり、昔からの風習である場合
でしょう。電話の彼女は、都市化が始まったばかりの地域のようです。
彼女も近年移り住んだ所です。だからこそ見守りNPO法人と契約し
たのだと思います。
さらに彼女は預貯金等の在り処も訊ねられたと言います。知り合い
ばかりの地域で、新参の彼女が留守宅の異変を申し立ててもすんなり
受け付けてもらえるでしょうか。こんな風に考えだすと彼女が危険の
中にいるのではないかと不安になりました。
彼女は見守りではなく、任意後見人を付けようかと思うとも言いま
した。任意後見人は、認知症が進んでから効力を発するもので、元気
な彼女の不安に応えるものではありません。見守りシステムはいろいろ
あります。もう少し検討してからにしてはいかがでしよう。
留守か異変かの判断に迷った時は、警官立会いの下で入室するのが
一般的なルールでは、と私は思います。だから私は鍵を渡しません。
一度渡すとコピーされて、どこへ何本出回るか分かったものではあり
ません。
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