終末期医療、希望を叶えて!

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 終末期医療に対して、意識がしっかりしている間に自分の意思を書面にして託し、その時が来たら医療側に渡し、患者本人の意思に従って診療を行ってほしい、というのは、もう一般的に同意を得ているものと私は思っています。そして実行した例も聞いています。しかし法律的には認められていません。

 そんな折、以下のような記事が新聞に載りました。

 

 麻生太郎副総理兼財務相は21日開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、余命わずかな高齢者など終末期の高額医療費に関連し、「死にたいと思っても生きられる。政府の金で(高額医療を)やっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ね

ようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」と持論

展開した。

また、「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく

知っている」とも述べ、財政負担が重い現実を指摘した。

 

 問題発言です。これが「政府の社会保障制度改革国民会議」という

場でなかったら、そして発言者が財務大臣でなかったら、何の問題も

ないと思うのですが。でも私の本心は、よく言ってくれた! です。

 

 終末期宣言について現状をお伝えしますと、

延命治療がいやなら「終末期宣言」を書いておこうという市民運動が

始まって30年以上になるのではと思っているのですが、未だに有効と

は限りません。現状は医療現場の判断がすべてです。

 昨年も超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」が、「終末期に

おける患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」としてまとめまし

たが、提出には至っていません。ということは、終末期であっても延

命措置を担当医師が採らなかった場合、殺人罪に問われ、民事・刑事・

行政上の責任を問われます。

だから同議連は「終末期」を「患者が傷病について行いうるすべての

適切な治療を受けた場合であっても回復の可能性がなく、かつ、死期

が間近であると判定された状態」と定義し、終末期医療の知識や経験

のある2人以上の医師の判断が一致した場合を「終末期状態」の患者

と規定しました。その上で、延命措置を新たに始めない要件として、

患者本人が延命措置を希望しないことを書面で意思表示している場合

とし、すでに行われている延命の中断はできないとしています。

 しかし障害者団体は「終末期の認識は個々人で異なり法律で決めら

れない」とし、白紙撤回すべき、と反対しています。

 

 このように現時点では、現場では法的に認められていない「終末期

宣言書」ですが、判断を迫られる医師や家族にとっては、少しは精神

的負担が少なくなると思います。また、認められるようになるには事

例の積み上げが必要かと思いますから、このような行動に賛同する人

が実行するのは意味のあることかもしれません。

私も口頭での宣言だけでなく、書面にしておくことにします。

実に難しい問題です。(ご参考までに)

 

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