高齢者、大災害発生時の自衛策は

 9月は防災月間なのか、テレビは毎日東日本大震災の復興状況と対策、

それを教訓とした防災対策を放映しています。しかし都市部というか、

都内の住宅地に住む元雇用労働者の私には、自分の教訓になるなんて思

えないまま、ながら視聴を繰り返しています。電話の向こうの友人にそ

のことを言ったら、「そう、私も・・・」

 

 その理由は、あまりに環境が違うからです。消失した有形財産は諦め

きれなくても、天災であれば諦めるしか手がないし、不動産は土地だけ

が固定資産で、建物部分は償却財産であると観念していて、その部分に

ついては保険を掛けることでリスク管理をしているわけで・・・。

そして高齢者について言えば、これまでに準備した老後資金の預貯金等、

金融資産はそのまま残っているはずなのに、どうしてそれで残りの人生

を考えないのかと・・・。

 何が問題なのか。私たちが理解しきれていないのが一番問題なのだと

理解していますが、あなたは理解していらっしゃいますか?

 

 津波が来ないところに住んでいる者にとって分からないのは、津波が

定期的に来るところに住んでいる人の危機管理・リスク管理です。

自力では急に逃げ切れないのが分かっていたら、住まいを移すというこ

とは考えなかったのでしょうか。三世帯同居といっても、24時間ケアで

きる状態ではないし・・・

 

 で、電話の向こうの私の友は、「家族で守り合うのが当たり前なので、

あなたたちのいない時間帯に津波が来たら私はどうしたらいいの? なん

て高齢者が言い出したら、若い人たちは絶句するしかないのだから、事

前確認なんてできないンじゃないかしら・・・。 高齢者が自分の意思

として、自分から高台に隠居所を立てて別居するしか手がないのでは・・・。ね」。

 今仮設で家族と離れひとり暮らしをしている高齢者は、本当はこの先

どうしたいのか、取材レポートからは見えてこないので、体験者として

話してほしいと思っています。

 

 単身けんの会員は、自分の能力に応じて高齢者施設に早めに移るとか、

自分で自分の身の振り方を考えている人が多いのですが、家族単位で生

活をしていた人たちの、自分では決められないという弱点が出てきてい

るのでしょうか。

 一番参考になったのが、生活不活発症。動かないでいることで、人と

しての機能が退化するという事実。時間的に余裕があるのならば、効率

の悪い動線もあえて取り入れて生活してみても・・

 

 

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コメント: 4
  • #1

    R.W (土曜日, 22 9月 2012 23:46)

    三陸沖の単発地震は十分に予測されていたし、津波の避難訓練もやっていました。世界最大の防潮堤もあったし、まさかこれほどの規模と範囲で発生するとは学者でもつかめなかった。確かにこの1年間で過去の災害を検証しなおして、意識が変わったと思います。その情報をみて、何で移転しなかったのかとは、言えないでしょう。海で生計を立てていれば、生活圏を変えるのは難しいです。リスク管理や防災教育は子供に根付き始めました。けれど高齢者の方は生活地盤と生業を守り継いでいくのが一番大事と一生懸命に家族を育てたのではないでしょうか。50年もすれば、災害にあった世代は少なくなり風化します。もともと過疎で老人医療も限界の地域です。家族単位で家業に携わらないと、生活できなかったとも思われます。これからは災害弱者は安全地帯に移ってもらい、健康な人は、仮想避難訓練を繰り返さないとダメでしょう。都市生活単身者はヤドカリの覚悟をもって行動できます。でも、大都市圏で大災害が起きたら、大量のヤドカリを受け入れられる場所が有るのかな

  • #2

    石川由紀 (月曜日, 24 9月 2012 08:43)

    ご意見拝読。私もまったく同じ想いですし、同じ理解です。
     その上で書きました。というのは、私は親戚等血縁者を被災地域に持っていません。だから私はマスコミを通した情報しか持っていません。しかし時間の許す限り各チャネルを見聞きしてきました。
     信じられないくらいゆっくり復興してきています。それは多分地域ぐるみでしか考えられない地域構造だからのスピードでしょう。そんな中、置き去りにされかけているのが高齢世帯のような気がしています。今や産業の主たる担い手でもなく、よくて手伝いだと思います。十年二十年とかかる復興に関われそうでもないのに、近くで待っている、待たされている姿にイライラしています。自分の身の振り方をどう考えているのかと。
     私は都市型の大地震時対策論議の最中にいます。東日本大震災を教訓に、地域で助け合えと行政サイドは言います。しかしそれが成立するのは、地域社会が職場である地域商店街くらいです。職住分離の地域では体が不自由だからと言って、連絡しなくてもすぐに助け合うシステムなど望めるでしょうか。
     私は自力でできること。できないこと。できないときはどうするかを考えて身支度しています。
     ヤドカリが使える貝殻として、全国各地で不良債権化した別荘、リゾートマンション、保養所、元旅館・ホテル等々が、買い手・利用者を待っています。私は今の地に建て直すなんて考えられない齢になっていますので検討に値すると思っています。

  • #3

    R.W (月曜日, 24 9月 2012 21:22)

    地域のコンセンサスを得て、国や県からの予算もらって・・動かないですね
    高齢者の方たちは地元に根付いて花を咲かせてきました。その良さが不幸にして裏目に出ているとも思います。自ら移植するなんて考える必要がない生き方だったのでしょう。私の場合は助け合いシステムも医療費控除も申請しなければ受けられません。条件が揃えば、たとえ遠隔地でも転がり込みたいと、常々考えています。数少ないしがらみ(仕事や老親の世話)がなくなったら、助走をつけてウエルカムの所に飛ぶぞー いろいろ教えてください

  • #4

    石川由紀 (水曜日, 26 9月 2012 09:16)

    私の住む自治体は89万人近くに増えています。
    大災害で行政に個人生活の支援を相談できるなんて思えません。
    ライフラインの復旧も時間のかかることでしょう。
    生活すべてを自力でなんとかするしかないのです。
    家族単位なんて言ってられないし、地域単位なんて尚のこと。
    情報は共有したいと思っていますし、受援力を付けたいと思っています。
    情報交換をしましょう。