いじめは犯罪よりも重大事件だった・・・

 大津市の中学で昨年生徒が自殺していました。原因は「学校での

いじめ」であると両親が損害賠償を求めて民事訴訟を起こしたことで、

広く世間が知るところとなりました。そして私も知りました。毎日腸

が煮えくり返る思いでテレビ報道やネット配信を見続けています。

 

 私の「いじめ」のイメージは、犯罪ではなく陰湿な個人的攻撃、

というものでした。しかしこの事件に関して識者やコメンテーターと

言われる人たちの言葉から、「いじめ」とは、犯罪行為が1人の人

に継続的に集中的に行われることを言う、ということを知りました。

なんと67歳にもなってから。

 「いじめ」を軽く受け止めていた自分に気が付き、愕然としています。

このようにはっきりとこの定義を知っていたなら、もっと違った行動が

取れたであろう過去の出来事が次から次へと想い出され、情けなく、悔

しく、腹立たしく、無念で・・・

 

 ある会員さんが「身寄りがいない独り者は馬鹿にされるのよ。軽く見

られて医者も看護師も、まあいろんな人がいい加減な扱いをするのよ」

と言われたことがありました。「そうよ」と相槌を打った人も複数いら

しゃいました。私は「そんな・・・」と思っただけで黙って聞いてい

ました。

また、老人ホームへ入るのに身寄りがいないと何をされるかわからない

という人もいます。最近では私も、そんなことが起こるかもしれない、

と思うようになってきました。これらのことは「いじめ」で片づけられ

ることが多いのだと思います。

 例えば他者と比べて頻繁に不要なものを購入されられた入居者の話や、

不適切な扱いを受ける要介護者の件などです。一つひとつは小さな出来

で、容認可能な事件でも、ある人に集中的、継続的に起こればたまっ

たものではありません。

 人目につかない閉鎖社会や環境では起きやすいことでしょう。私たち

は人目に付きやすい開かれた環境を作ることで、被害者にならない、被

害者を出さない、加害者を造らないようにしなくては、と思っています。

 それにはお互い連絡を取り合い、訪問し合うことが大切なのだと思い

ます。皆さんはどのようにお考えですか。

 

  

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