3.11東日本大震災以来、「絆」が一番大切なもののように一般的に言われています。その「絆」の中でも「家族の絆」が大切だと言う人が多いように思います。しかし、その「家族の絆」に泣かされている人も多く見受けられます。昨日も兄弟姉妹から頼られて苦しい状況を訴える電話がありました。
兄弟姉妹も大人になると独立してそれぞれの人生を歩みだします。
その人生の中で冠婚葬祭時には、祝福しあい、共に悲しみ、共に想い
出に浸りと、きょうだいが多いほどその機会に恵まれ、その度に家族
としての絆が太く強くなります。
しかしそれぞれが独立し、戸籍も別になりそれぞれの家族として生
きてきて、それぞれが晩年を迎えたとき、絆の意味合いも変ってくる
のではないでしょうか。
今回お電話をいただいた方は、70代後半のAさんご自身と80代半ば
のふたりのお姉さまとの葛藤でした。三人とも今はひとり暮らしです。
姉ふたりは一番若いAさんを頼りにしていらして、何かと相談し、
支援や介助を依頼されると言います。できる限りしてあげてきたけれど、
全てが命令口調で、Aさんからの提案や注意には怒りすらあらわにして
拒否なさるとか。
「今日はつくづく悲しくて虚しくて、つい電話してしまいました。
私は単身けんで教えてもらったことも参考にして助言をしたら、殺す気
かと怒鳴られて・・・」と。
Aさんは自分も80歳間近、自分の身仕舞いだけで精一杯。何時までも
姉たちの面倒を見続けられるわけではないから、せめて誰にでも分かる
ようにどのように処分して欲しいのか、葬式はどうして欲しいのか、書
き出して欲しい、と言ったのが原因だったとか。
実はこれに似た話をご夫婦の間のこととしても聞きました。「あなた
は若いから、僕は先に逝くからお任せします」と言って話に乗ってこな
いけど、「私も87よ。若いといわれても・・・ 足腰も弱ってきている
のに・・・」と。
家族の絆で守られる人、その絆で縛られる人。自分の意志で持った絆
ではないだけに心が彷徨うのでしょうか。
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かねこ (土曜日, 10 12月 2011 11:57)
家族は近しい分、いろいろやっかいですね。
高齢者の虐待も家族間が一番多いようですし…