年越しは「断捨離」で・・・

 2010年の流行語大賞にノミネートされた言葉の一つ「断捨離」が、

年末を迎えもてはやされています。「断捨離」とは、断ち、捨て、離れ、

のこととか。不要・不適・不快を断ち、捨て、離れ、新陳代謝を促し、

快適な活動空間を確保することだそうです。というわけで、年末大掃除、

大整理の精神的な便として注目を集めているようです。

 

 1人暮らしは片付けられない人が多いという流布が多いことに憤慨し

当会で話題にしました。けれどもなぜ片付けが必要か、という問い

の中で、本人が不便だの不快だのと、困ったことが生じているのであ

れば問題かもしれないけれど、同居人がいないのだから、片付けなけ

ればならない理由はないとの話もでました。もっともです。

 

 高齢になるとちょっと事情は変わってきます。

なぜなら家にいることが多くなり、片付いていない室内でのつまずき

―→転倒―→骨折―→寝たきり! この事態だけは避けたいもの。

ツルツルの広告用紙、雑誌、電気コード、厚手のラグ・カーペットの

縁、etc. 危険はそこここに控えています。お気をつけください。

 また、所定の場所にすぐ収めればいいのに、動作が緩慢になり、

つい仮置きをし、忘れてしまって、探し物を・・・

 

 引越しの多い人生、たとえば転勤族の人たちは「断捨離」の達人

とか。辞令が出てから1週間ほどで、荷物をまとめ、諸手続きをし、

別れの挨拶をし、見知らぬ土地で、新たなポジションで仕事に入る!

とにかく生きるためには待ったなしで取り組まざるを得ないのです

から。ネ! モノを処理するのに躊躇や先延ばしは許されない。

しかしその決断のおかげで過去の整理ができ、新天地で受け入れなけ

ばならないことが入ってくる余地が準備できるのだそうです。

 

 66歳の私は過去に囲まれて、ほんわり暖かな空間を楽しんでいます。

 10回近い転地転居を経験し、「断捨離」の達人のはずなのに、想い出

を呼び起こしてくれるモノたちを断てなくて、離れられなくて、過去

の居心地にしがみついて生きています。だから新年を迎えても、新し

い気分になれないのでは、と思っています。

でも新しいことも始めたい! 何か一つでも処分して、何でもいいから

一つだけでも手に入れたい、です。

 

   「事務局のひとりごと」目次へ